映画『啄む嘴』初日舞台挨拶、清水崇監督とのホラー対談 ご報告。池袋シネマ・ロサ 2週目のタイムテーブルとイベント詳細決定!

12.15.2022 · Posted in domestic, movies, news, tweet, 未分類

初日舞台挨拶、清水崇監督とのホラー対談 ご報告
池袋シネマ・ロサ 2週目のタイムテーブルとイベント詳細

 

[2022.12.14 マコトヤ発信]
話題の新鋭監督・渡邉安悟の最新中編『啄む嘴(ついばむくちばし)』(配給:マコトヤ)が、12月10日(土)に初日を迎え池袋シネマ・ロサをほぼ埋めたお客さまの前で初日舞台挨拶、 12日(月)の清水崇監督とホラー監督対談を楽しみにいらしたお客さまが手応えを持ち帰る充実したものとなりました。池袋シネマ・ロサでの2週目タイムテーブルとイベントが決定した のでお知せします。※すべて敬称略

 

池袋シネマ・ロサ タイムテーブル
12月16日(金)まで 21:00〜
12月17日(土) ・18日(日) 19:40〜
12月19日(月) 〜23日(金) 19:15〜

 

池袋シネマ・ロサ2週目は秘話トーク ※イベント実施および登壇者など予定

■撮影秘話:渡邉組現場についてのキャストトーク
12月19日(月)19:15PM の回上映終了後
登壇:吉見茉莉奈、 間瀬永実子、豊田記央、 渡邉安悟(監督)

■企画制作秘話:悲喜こもごもの映画作バディトーク
12月21日(水)19:15PM の回上映終了後
登壇:山岸佑哉(プロデューサー)、渡邉安悟(監督)

 

イベント報告 ※全文書き起こしは映画公式サイトに掲載

■初日舞台挨拶■ 12月10日(土) 吉見茉莉奈過去から逃げる女・中島  間瀬永実子生を悲観する工場作業員・矢崎 豊田記央謎の男 渡邉安悟監督 山岸佑哉プロデューサー

吉見:(中島は)人によっては“なにを言っているんだろうこの人は?”って思うような、ちょっと支離滅裂なことを喋っているんですけど、私は不思議と最初読んだとき“この人の言っていること、なんかわかるな”って思ったんですね。中島に関してはすごく筋が通っている気がするって思ったのが最初の印象です。

間瀬:私は逆で、全然わからなくて、矢崎のほうがすごくわかりました。中島っておとぎ話みたいだとオーディションのときから感じていました

豊田:撮影入ったら役名もらえるのかなと思っていたら、謎男のままで。で読んでみてもやっぱり謎男なんですよね。”の”がないんですよね、謎男なんですよ。でオーディションの時に、映画に出てくる時と同じ服装で行ったんですよ。あれは私の私物です。

渡邉:僕の中ではそんなに難しい映画を作ったつもりはないんですが…ずっと自分の映画はそのつもりで撮ってるんですけども。おこった出来事をそのまま撮るんですが、その撮り方というか。(その出来事を)どう撮るのか、どういう距離感で被写体に対してカメラを向けるかとか。その距離感でそういう不思議な世界に見えているのかなと思います。自分としては、脚本の段階でもそんな難しいことはしてないつもりで、そういうイメージでやっています。ただ、今までの自分の映画ははもうちょっとわかりやすい話だったのかなと思ってまして。今回は東京藝大を卒業して、なんかちょっとある程度許されるんじゃないかと(笑)自由なことをやっても解釈してくれるんじゃないかって言うのもあって、結構自由にやれたところもあると思います。

山岸:僕も現場ではすごく苦労したんですが、出来上がったものを見た時にすごく報われてしまったというか、素晴らしい作品が出来上がったなと思えたので、本当にこの作品に関われたことを光栄に思います。自分は普段は俳優をしてまして、その中で先ほど言った通り渡邉監督の作品を見て「あ。この人と仕事がしたい」と思って今回こう言ったご縁を頂いたわけなんですけども。監督には最初お話した時には「山岸さん主演で映画を撮りますか?」と聞かれたんですよね。でも僕は渡邉監督の映画が好きなので、無理に主演でなくて大丈夫ですと、ちょこっと出演できたら嬉しいので、一緒に映画を作りたいですと言ったんです。言ったんですけども、まさか本当に1ミリもキャスティングされないとは思わなかったんですよね(笑)ちょっとしたエキストラですら使っていただけなかったんですよ。

■ホラー対談:帝王 vs 新米■ 12月12日(月)
清水崇監督『呪怨』『牛頸村』  渡邉安悟監督 MC: 吉見茉莉奈

清水:結構最近僕も色んな映画を初めて劇場で見て、直後に監督とトークとかあるんですけど、今日のこれは本当に難しいですね。最初の数カット見ただけでね、「あ、これやたらストイックなやつだ」って匂いを感じたんで、普通に観客として見させていただいたんですけど。何を考えてんすか?(笑)

渡邉:多分まずホラーがどうかというところだと思うんですけど、出来上がってまずサスペンススリラーという気持ちで自分はいます。ジャンルとして。で色んな方からの意見をもらって、結構難解に受け取られることが多いんだなって思ったんですが、僕としてはそんな難解に撮ったつもりもなくてですね。少しヒントとして(中島役の)吉見さんと話していて思ったことがありまして、登場人物の二人の女性の関係性に絞って観てもらえれば、より作品の輪郭が見えるのかなと思いました。本当に切実に何かを訴えているけど、言葉がまとまらず何を言っているのかは分からないけれど、何かを訴えている女性がいて、それを近くで見守ってじっと側で話を聞いて、その言葉を理解しようとする訳ではなく、ただただ側に居てくれる。そういう二人の話というところを中心に見ていただけたらいいなと思います。色んな要素があって、難しいと思う方もいると思うんですけれども、その二人の関係性に絞ってみれば、より話がわかりやすく入ってくるのかと思います。

清水:薄気味悪い作品。すごいストイックな作品で、理解しようとするのを突然やめたんですけど。なんかそれでいいのかなって、思ったんです。

渡邉:その薄気味悪さが伝われば、僕としては。わかりづらくはしていないんですけど、わからない快感ってのはあると思っていて。わからないけど、何か惹きつけられてしまう。例えば、中島が途中わーっと喋るシーンがありまして、自分の過去について語っていくんですけれども、語れば語るほどわからなくなっていく。どんどん遠く遠いところに描くという、そういう観客と映画の距離感みたいなところを楽しんで頂きたいなと思います。

清水:先ほどはサスペンススリラーって仰いましたけど、ホラーって言っちゃうとそれだけで見ようとする気持ちを無くしてしまう方もたくさんいるので、どう出るかってのは大事なんですよね。前面に。僕もホラーじゃなきゃダメですか?とか、ホラー映画以外も撮りたいとか言ってるんですけど、なんで同じ人に同じようなものを求めるのかなって思います。『呪怨』みたいなの撮ってっていうなら、何回でも『呪怨』観ればいいじゃん。って思っちゃうんですよ。やっぱり自分はなるべく新鮮に新しいこと楽しみたいので、同じホラー映画でも、なるべく毎回今までにやってないことに挑戦したいと思って作ってはいるんですけどね。結構難しいんですよ。『羊たちの沈黙』みたいなモンスターも幽霊も出てこないけど、怖さであれはもうホラーですよっていう人もいるし。

清水:ひっそりクスクスくるシーンもあるし、ぞーっとしてるけどビクっ!てなるものばかりじゃないじゃないですか。そのお行儀の良さやお淑やかさというのか、感情を押し殺す魅惑の因子の連続だと思うので、それがこういう映画を作らせるセンスにつながっているので。そういう意味でいうとホラーって言えるのかわからないんですけど、日本のホラーとかスリラーとは(この映画は)違う感じありますよね。押し殺して押し殺してジワジワくる感じ。

渡邉:そうですね。今作も怖がらせようとしたわけではなくて、自分も日本のホラー全般好きなんですけども、びっくり系のホラーというか演出があんまり好きじゃないんです。なんか反則技な気がして。そんなの誰だってびっくりするやんと思ってまして(笑)

清水:やっと渡邉監督と共通点が生まれました(笑)音楽で盛り上げて、何かの視点が近づいて、ジワジワ、怖い怖い、来る来る、と思ってパッと振り返ったら友達でしたみたいな。あんな恥ずかしいことないですよね(笑)

 

今後の上映

2023年
■大阪:シアターセブン
■愛知:シネマスコーレ
■広島:横川シネマ ほか順次

 

誰のなかにもある多重人格性をめぐるサスペンススリラー。
人間は誰しも多様な人格を内包している。誠実と無慈悲も、残酷と軽快も共存するばかりか、多種多様な悪魔と天使が一人の人間のなかで所構わず成長する。そして現代社会は、増殖した多重人格性を無自覚に量産し改変していくことで発展を続けている。その結果私たちは「個」のバリアで武装し、「他」を跳ね除け、何も言えなくさせる術を身につけ始めたのだろう。モチーフとなった南米の熱帯雨林に生息する大型の鳥類《オオハシ》はそんな排他的な現代における人間性の暗喩である。

稀代の映像作家・渡邉安悟監督最新中編。
恐怖に放置し、共有を拒否するアンチ日本映画的手法で作られた本作は、初長編劇映画である荒唐無稽な青春ドラマ『ドブ川番外地』(注目すべき日本映画3選)、東京藝大卒業制作でもあるハードボイルドなブロマンス長編二作目『獰猛』の渡邉安悟が監督。男を映してきた渡邉が初めて女を使って挑む現代人の内面世界を映す中編最新作。稀代の映像作家・日本映画の若き救世主による『リング』『呪怨』『回路』に連なる新たなJホラーが誕生する!

絶対にダメです。あれに見つかるのだけは何があっても…絶対にダメです。
中島栞は謎の男から逃げている。 逃げた先は物流倉庫。そこで勤務していた矢崎舞衣に助けられ、2人は共に行動することに。忍び寄る男の影に苛まれながら 中島は母親殺しについて語りだす。車や階段、スマートフォンやブラウン管テレビなど無機質な対象が迫りくる。隠していたものが炙り出され、数珠繋ぎのがんじがらめ。逃げ出したい、けど逃げられない逃げたくない。がんじがらめがなくなったら私は私を失ってしまうから。

CAST
吉見茉莉奈 間瀬永実子 豊田記央 國枝新 詩歩 福地展成 若林秀敏 小野美花 大和やち ほか

STAFF
監督・編集・共同脚本: 渡邉安悟 共同脚本: 深井戸睡睡 プロデューサー・衣装: 山岸佑哉 撮影: 中條航 照明: 大迫秀仁 録音: 酒井朝子 美術: 畠智哉 メイク: 藤原玲子、石松英恵 特殊メイク: 齊下幹 整音: 佐藤恵太 助監督: 菊池諒 制作: 香西怜 文化庁「ARTS for the future! 」補助対象事業 制作プロダクション・製作: 我がまま 配給: マコトヤ

SPEC
2022年/日本/DCP 24P/カラー/ヨーロピアンビスタ 1:1.66/モノラル/52分/映倫G 28056/© WAGAMAMA FILM | ASATO WATANABE