映画『さまよう獣』

男と男と男と男と、女。起こることは、ひとつだけー。
奇妙キテレツな愛の争奪戦。

ある集落。都会からやってきたキヨミ(山崎真実)は、老女(森康子)に拾われる。孫同然のマサル(波岡一喜)と三人で、静かに食卓を囲む日々。過去を語らず、時折哀しげな表情を浮かべる彼女の色香に男たちは吸い寄せられる。作家志望のシンジ(山岸門人)は自作の小説を贈り、農家のタツヤ(渋川清彦)はもぎたてのトマトを彼女の唇に運ぶ。戸惑うキヨミだが悪い気はしない。キヨミの様子を見ていたバーのマスター(田中要次)は自分のとことで働かないかと声をかける。マサルだけが、寡黙に食事の支度を続ける。そんな折、老女が倒れ、女を追って男(津田寛治)が乗り込んできた…!
おだやかな田舎の村で奇妙キテレツな愛の争奪戦がはじまる。