渡邉安悟監督最新中編『啄む嘴』12/10(土) 〜池袋シネマ・ロサ! 映画評論家の森直人氏、黒沢清監督らから絶賛コメント到着! 初日舞台挨拶も決定!

12.01.2022 · Posted in domestic, movies, news, tweet

 

[2022.12.9コメント追加 11.30 マコトヤ発信]

すでに各界から高評価を獲得している渡邉安悟(わたなべあさと)監督が大学の力を借りずに作った初作品にして最新中編『啄む嘴(ついばむくちばし)』(12月10 日(土)より池袋シネマ・ロサでレイトショー/配給:マコトヤ)に、コメントが続々寄せられています。初日舞台挨拶も決定しました。1週目のタイムテーブルは連日21:00です。※すべて敬称略

 

池袋シネマ・ロサにて初日舞台挨拶決定

日時:1210日(土)21:00の回上映終了後

登壇(予定):吉見茉莉奈=過去から逃げる女・中島  間瀬永実子=生を悲観する工場作業員・矢崎 豊田記央=謎の男 渡邉安悟監督 山岸佑哉プロデューサー

 

寄せられたコメント・一部(スタッフキャストを含む全コメントは公式サイト )

■森直人:映画評論家■
不機嫌な「夜」の映画の最尖鋭兵器。我々の現実の隣にぽっかりあいた魔という意味で、正しくルイス・キャロル的と言うべきか。安易さに一切傾かず、フィクションの時間を体感させる渡邉安悟監督の設計思想に舌を巻いた。

 

■黒沢清:映画監督■
ちょっとやさぐれた女が、ちょっと思い込みの激しい女と出会い、車に乗せて走り出す。問題はそこからだ。街で何か特殊な犯罪が起こっているのか、それとも気ままな逃避行が続くのか、ひょっとするとこれはもっと大掛かりな陰謀の一端なのか…。我々は長い地獄巡りに付き合うことになる。

 

■アダム・トレル:映画プロデューサー、Third Window Films 代表■
これは渡邉安悟の変な映画だ。デビュー長編『ドブ川番外地』で応援したくなった監督の作品だからね、もちろん応援するよ。

 

■柳下雄太:ライター Courrier International ■
トラウマという地獄と「おとぎばなし」の間のなにかを彷徨う女二人。逃避行は当てもなく続くが、最後のシーンで女は生まれ変われたのか。あるいは・・・ Official site

 

■洋介犬:ホラー・風刺漫画家■
いい意味で不安定さと足元のゆらぎを感じる作品で、今まで味わったことのない「酔い」を感じました。 この不安定さは現代エンタメにおいて稀有なものかと思います。Twitter

 

■梅村和史:映画監督『静謐と夕暮』■
女が過去を語る程、過去は遠退く。 逃げる先に、女は果たして「自分」という真実に出会えるのだろうか。 車、電車、女……画面を横切る全てのものにカットと時間が分断され、 逃げ続ける女の存在が裏切られていく。Twitter

 

■入江崇史:俳優■
人はふとしたきっかけで、自分の中の、もう1人の知らない自分に出会ってしまう事がある。 渡邉安悟監督は、得体の知れない何者かに追われ続けるという緊迫したシチュエーションの中で、人間の持つ二つの顔を並べて見せた。実はそこが一番怖い。 一見物静かで温和な渡邉監督の「嘴」は、極度の緊張の中で鋭く妖しく光る。Twitter

 

■諏訪敦彦:映画監督■
いつ明けるともしれない夜の中で、トラウマは時を撹乱し、執拗に現在に襲いかかる。女たちに通じ合う言葉はなく、どこから来てどこにゆくのかもわからない。「啄む嘴」は、その氷のように透明な孤独と絶望を理解せよとはい言わない。徹底した寡黙さによって言葉を眠らせ、ただそれを抱きしめよと迫るのである。

 

■河野宏紀:映画監督/俳優■
観る者への干渉を避けることで、想像の矮小化を避ける。いつの間にか事態はただならぬ方向へ進んでいた。稀有な映像表現で魅了する渡邉監督の眼差しは、世の中に警告を突きつけているよう。Instagram

 

■阪本順治:映画監督■
怖い。風景も音も怖い。人物の心を、読み取ろうとしても、たど り着けない。ひとが、不意に現れ、不意に消える。それが怖い。間合いも怖い。帰れない、還れない、そんなひとびとの物語。観た私も、いまだ、日常に還れない。どうしてくれよう、渡邉監督!

 

■矢崎仁司:映画監督■
「この世界には不可解なことがあるということを表現するのが芸術家の仕事だ」と誰かが言っていた。獰猛な渡邉安悟監督の嘴は、共通言語でしか語られない今の映画に突き刺さる。

 

■筒井武文:映画監督■
渡邉安悟の新作『啄む嘴』は、純度の高い不穏さで、見る者を圧倒する。裸足で逃走する女、部屋の鍵を紛失したらしい会社員の女、この二人が出会い、会社の車で長い夜を過ごす。特に物語が掴めないまま推移する最初の15分間たるや、見たことのない映画に触れたという驚きを呼ぶ。この夜は明けるのか。

 

 

 

誰のなかにもある多重人格性をめぐるサスペンススリラー。人間は誰しも多様な人格を内包している。誠実と無慈悲も、残酷と軽快も共存するばかりか、多種多様な悪魔と天使が一人の人間のなかで所構わず成長する。そして現代社会は、増殖した多重人格性を無自覚に量産し改変していくことで発展を続けている。その結果私たちは「個」のバリアで武装し、「他」を跳ね除け、何も言えなくさせる術を身につけ始めたのだろう。モチーフとなった南米の熱帯雨林に生息する大型の鳥類《オオハシ》は、そんな排他的な現代における人間性の暗喩である。

稀代の映像作家・渡邉安悟監督最新中編。恐怖に放置し、共有を拒否するアンチ日本映画的手法で作られた本作は、初長編劇映画である荒唐無稽な青春ドラマ『ドブ川番外地』(注目すべき日本映画3選)、東京藝大卒業制作でもあるハードボイルドなブロマンス長編二作目『獰猛』の渡邉安悟が監督。男を映してきた渡邉が初めて女を使って挑む現代人の内面世界を映す中編最新作。稀代の映像作家・日本映画の若き救世主による『リング』『呪怨』『回路』に連なる新たなJホラーが誕生する!

絶対にダメです。あれに見つかるのだけは何があっても…絶対にダメです。中島栞は謎の男から逃げている。 逃げた先は物流倉庫。そこで勤務していた矢崎舞衣に助けられ、2人は共に行動することに。忍び寄る男の影に苛まれながら 中島は母親殺しについて語りだす。車や階段、スマートフォンやブラウン管テレビなど無機質な対象が迫りくる。隠していたものが炙り出され、数珠繋ぎのがんじがらめ。逃げ出したい、けど逃げられない逃げたくない。がんじがらめがなくなったら私は私を失ってしまうから。

CAST 吉見茉莉奈 間瀬永実子 豊田記央 國枝新 詩歩 福地展成 若林秀敏 小野美花 大和やち ほか

STAFF 監督・編集・共同脚本:渡邉安悟 共同脚本:深井戸睡睡 プロデューサー・衣装:山岸佑哉 撮影:中條航 照明:大迫秀仁 録音:酒井朝子 美術:畠智哉 メイク:藤原玲子、石松英恵 特殊メイク:齊下幹 整音:佐藤恵太 助監督:菊池諒 制作:香西怜 文化庁「ARTS for the future! 」補助対象事業 制作プロダクション・製作:我がまま 配給:マコトヤ 

SPEC 2022年/日本/DCP 24P/カラー/ヨーロピアンビスタ 1:1.66/モノラル/52分/映倫G 28056/© WAGAMAMA FILM | ASATO WATANABE