『ふゆの獣』観ました〜!めちゃめちゃ面白かった!みんなが部屋を飛び出してくとこで、興奮して笑いながら泣きました☆☆ もう一回観たい!!

しじみ 女優

男女の執拗なる愛憎の物語。おかしくも狂おしい展開はスリル満点で、グイグイ引きつけられる。

佐藤寿保 映画監督

愛する人を求めながら、愛されることを求めて走り続ける。
とじない物語が行方を求めている。
映画館を出た後も、あの男と女がどこへ行くのか気になり続けています。
まるで、私の行方を思うように。

渡辺真起子 女優

『アベック モン マリ』と『レザボア・ドッグス』を融合させた、オレの好きな種の名作を思い出したなあ…。
4人の男女の身勝手な四つ巴合戦の恋愛バトルがとても怖かったし、どこか滑稽で面白おかしく観させてもらいました。
個々の俳優さんがとても生き生きしていて、自分自身も刺激になったし、力強い映画でした!
オレはこの映画に出会えてラッキーです。
東京フィルメックスでの最優秀作品賞受賞、本当におめでとうございます!

寺島進 俳優

ギリギリまで現場で役者を追い詰めたことで生み出された言葉たちが、悲しさを超えて、高度の可笑しさを紡いでいた。だから、好きになれたのだ。この映画のすべてを。

村上賢司 映画監督・テレビディレクター

『ふゆの獣』は心理の描写と力学が極めて正確かつ繊細で、人間についての綿密な観察と深い洞察に裏付けられている。手法も確信犯的かつ思い切りがよい。特筆すべきは、俳優たちの演技の的確さと高度な技術である。テレビドラマとか観てると、俳優という職人は既に絶滅してしまったのかと思わされることが多いが、職人芸は小劇場や自主制作の現場で密やかにしぶとく息づいている。

想田和弘 映画監督 Twitter 2010/11/29”

登場人物たちは磁石のように引かれ合い、チクチクするような過敏さをスクリーンのあらゆるところに生み出す。互いの視線が注がれたりそむけられたりするたびに、我々誰もが経験したに違いない感情が瞬間的に訪れる。この作品には、日本映画の未来の希望がはっきりと示されている。

Julian Ross “Directors Notes”

映画は中古車を買うくらいの金額で作られているが、その魅力は全く損なわれていない。なにせ人気のない東京の地下道で、男と女がスターバックスのカップを手にしただけで感動的なシーンが生み出されるのだから。それは美しく控え目に、かつ静かに、愛が人々にもたらす混乱を表現する。

Bas Raijmakers “STBY Magazine

『ふゆの獣』は4人の俳優が奏でる四重奏。4人の感情の浮き沈みを、時系列に従うことなく途切れることなく。異なる状況と場所を次々とさまざまに提示し、たくさんのカットをつなぐ。内田伸輝の愛の苦悩についての映画は新鮮だ。些細な感情が複雑に絡み、ユーモラスな鍵のエピソードと包丁をふりまわすドラマチックなシーンとのバランスなどが効果的で、俳優たちの振舞は説得力に富んでいる。

Dario Tomasi “Sonatine”

2010年東京フィルメックスのコンペ作品としてこの作品にはじめて出会った時、
ある戦慄が体中を駆けめぐった。「クマさん(神代さん)の再来のようだ!」と感じた。
しかし『ふゆの獣』は、ロマンポルノより遥かにきびしい条件のもとでつくられ乍ら、もっと高みを目指している。

白鳥あかね 脚本家・スクリプター

『ふゆの獣』、実に面白かったです。圧倒的に不公平・非対称な恋愛の四角関係を描いて、それがいま鼻先で生まれ落ちては壊れてゆくようなヒリヒリ感に満ちていました。4人だけの世界なのに、フレームの外の世界まで感じさせる外へと勢いよくはみ出してゆくような画づくり、演出。すごい新人が現れたなぁと驚かされました。そして、加藤めぐみという未知の女優さんも記憶にこびりついて粘っこい糸を引くよう、素晴らしかったです。

後藤 岳史 映画評論・ライター

噴出した暴力性、そのまま4人の森への疾走へと繋がる終盤は、長いトンネルを抜けて見えた景色のように観客を原始の感動のようなものへ誘う。息の長い演出と鬼気迫る俳優の演技が、恋愛という不思議な現象を通してそれぞれの登場人物の心の姿をヴィヴィッドに映し出し、そのアンサンブルが稀有な映画的瞬間を生み出している傑作である。

夏目深雪 批評・フリーライター“イントロ”

男女の修羅場や愁嘆場の連続なのに、不思議なくらい生きることの歓びや躍動感が満ち溢れている。映画を観ているうちに、ふとこの登場人物たちもいつか死ぬんだなーと思ってしまった。彼らは死の寸前、きっとこの数日間の物語を思い出すに違いない。タイトな方法で日常しか描いていないのに、永遠の時間を感じる。少人数で作られたのに、いやそうして作られたこそだからだろう。ものすごく大きな映画だと思った。

瀬々敬久 映画監督

審査員は、内田伸輝監督の『ふゆの獣』をグランプリ作品に決定しました。本作は映画的手法を用いて心理ドラマを類まれなる強烈なレベルへと発展させています。特にカメラの使い方が際立っており、俳優たちの演技も同様に素晴らしいものです。また審査員は、この作品が非常に限られた予算の中で大きな表現力を極めていることも高く評価します。

東京フィルメックス授賞コメント